インドクジャクのピーちゃん(オス、推定15歳)の左足が不自由になって、約3年。
「園長先生、病院には連れて行かないんですか?」と、ひかりの若い教師に問われ、動物病院など行ったこともない私は、ほとんどその気はなかったのですが、
「あー、そだね~。夏休みとかに連れて行こうかな……」と、つい口を滑らせてしまいました。すると、その教師は、
「やったー」と、両手で拍手しながら、飛び上がって(本当に体を宙に浮かせて)喜ぶのでした。その動物愛護の思いに突き動かされて、夏休みに機会を伺っていたのですが、あの大きな動物を一人で捕獲・搬出する方法も時間もなかなかみつからずに、秋になってしまいました。
夏休み中に、クジャクを診察してもらえる県内の動物病院を探し、ついに先週の2日、その日がやって来ました。
入園面接の午後、S先生とN先生とE先生は捕獲チーム。通院チームは私と車内でクジャクが暴れた時のためにI先生に同行してもらいました。私も動物病院は、初めてなので、経験者であるI先生に、
「初診料とか、診察代でどれくらいかかるかな?」と聞くと、
「怪我や病気の程度によるんじゃないですか」と。
「初診料、レントゲン代、処置費、薬代とかで、10万円とか言われたら、引き返すよ。」
「えっ、でもそれは、人権的にどうなんですか?子どもたち、がっかりしませんか。」
「鳥に人権とかってあるの?鳥にそんな感情とか不快感とかあるのかな。」
「ありますよ!だって毎朝、チャーリー(白い鶏)のカゴの暗幕をめくると『早く出せ!』って訴えてるじゃないですか」など、(だいたいこんな感じの内容の)たわいもない会話をしつつ、病院に到着。
診察は、院長先生と鳥類専門の獣医、助手の計3名のスタッフが、暴れるピーちゃんを抑えつつ、丁寧に触診し、30分位診察して下さいました。
診察室を出ると、待合室にいた小動物をお母さんと連れてきていた小学2年生位の男の子が、中が見えない黒い布製の大きなゲージを見て、「これなあに?」と聞くので、私は「クジャクだよ」と答えました。
飲み薬とビタミン剤を20日分処方され、食事の改善とより良い住環境を提案され、私たちは帰途につきました。
私は、帰り道でどっと疲れました。幼稚園で動物を飼育するって、こんなに大変なのか。(すみません。保護者様に何かを訴えているのではありません。素直な感想です。)でも、命を預かるって、こういうことなんだよな。
長い間、ひかりの子ども達の笑顔を見守って来てくれたクジャクのピーちゃん、ありがとう!ちゃんとお薬飲んでくれるかなぁ。園長のチャレンジは続く……。
*「『園長!』の写真日記」は、ひかり幼稚園在園児及びそのご家族を念頭に、その日にあった出来事を写真と共に振り返りつつ、執筆するものです。