「柿やさん」で生きる力を!

園長 東 晴也

今日は、年中組主催行事「柿やさん」がありました。ご購入ご協力いただきました保護者の皆様、本当に感謝いたします!

ご存じのとおり園内に実る柿の実を収穫・販売し、その収益を献金するという主旨のイベントです。園児には、柿の実がなるころから柿をどうしたいかを一緒に考え、収穫、ポスター描き、販売、献金までの一連の農業経済活動とボランティア活動を体験させることが目的の教育活動です。

私は、この柿やさんで特に意味があると思ったことは、もちろんクリスマスの季節に献金、捧げることの意味と喜びを体験させることもありますが、「身の回りのもの(柿の実)がお金になる」ということを4才児が知ったことだと思います。つまり、食べ物は買うものだけではなく、生産し販売できる商品になるということを体験できたことです。

今年の秋、日本は最低賃金が上がりました。日本人の平均年収が欧米並みに上昇せず、ウクライナ戦争以後特に物価の高騰を受けて、一般社会人の生活が苦しくなりつつあるという報道をよく耳にします。私もガソリンを始め食料品の値段が上がって来たのを実感せざるをえません。先日、朝の某N局ラジオで、「私は非常勤講師なので、結婚できないし、家族ももてないという方もいらっしゃるということでしょうか」と、生活苦の実感をアナウンサーが代弁的に紹介していました。それを聞いて私は「本当にそうか?」と思ったのです。「収入が少なかったら、愛する人との結婚をあきらめるのか?」とその人に言いたいです。日本は少子高齢化社会をひた走っていて、特に地方ではそれは顕著だと聞きますね。ということは、地方には耕作放棄地がおそらくあるんです。「物価の安い過疎地で、家賃1万円の一軒家の4LDKに住んで、農業をしながら、なるべく食べるものは目の前の畑で作り、スマホを捨てて、お金のかからない生活にチェンジしては?」とその嘆く人に提案したいです。……すみません、自分勝手なことを言って。つい熱くなってしまいました。

「4歳児が売る柿」は、それなりに売れていました。年中さんには、将来、現状を嘆くだけではなく、目の前にある「柿」からも多様な価値を生み出し、努力と工夫によってお金はそんなになくても豊かで喜びに満ちた生活を生み出す人間になってほしいです!頼むよ、うさぎ組さん!

そんなことを考えた柿やさんでしたよ。年中組さん、ありがとう!(2023.12.1)

*「『園長!』の写真日記」は、ひかり幼稚園在園児及びそのご家族を念頭に、その日にあった出来事を写真と共に振り返りつつ、執筆するものです。