教育方針と目的

ごあいさつ

理事長といっしょに

教育とは、唯一無二の尊き自己を引き出すことであり、一人ひとり生まれながらに与えられている賜物を、充分に生かしめることです。子ども達の内にある可能性を、現実の世界に引き出してやることです。ひかりの目標は、「自主的精神に満ちた、たくましい野性人」。魂と魂がカチカチ音をたてて響きあう場。心と心が感動しあってともに育ちあう場。そんな時空を創造しようと、私たちは子どもの視座を大切に、みんなに開かれた幼稚園づくりを目指しています。

学校法人石川学園 理事長 東 喜代雄

園長!〇〇してもいいですか!?

「園長先生!お泊まりしていいですか?」

「人生のもっとも早い時期にどこでどのように生きるか?」

これは、とても大切で大きな問いと決断です。しかも、幼児の場合、その判断はご本人ではなく、その保護者に委ねられています。日本国憲法における国民の3つの義務の1つ「教育を受けさせる義務」です。私たち大人は、しっかりと眼を見開いて、我が愛する子にどのような教育を受けさせるか、考えてまいりましょう。

狭山ひかり幼稚園は、徹底的にその子に寄り添い、一人ひとりを大切にする保育をしています。それは、私たちの教育の基盤である「聖書」にあるイエス・キリストの生き方そのものであるからです。ひかり幼稚園は、その子の存在価値と可能性を信じ、将来必ず花開くその子ならではの賜物を引き出す教育をしています。すぐに役に立つ技術や知識は、この幼稚園ではあまり教えません。

「私はありのままの私でいいんだ」と安心していられる幼稚園で、「本当の私」が開かれていきます。それは「自由な私」との出会いです。そのために私たちひかりの教職員は、日夜子どもたちの存在に寄り添い続けています。

狭山ひかり幼稚園 園長 東 晴也

創立の目的

「こんな幼稚園を創りたい」

幼稚園を創立する前、学園創立者の石川求助(蚕種の専門家で、狭山市初代市長)から「絹織物の値段は、春の一番蚕の二齢(2回目の脱皮で5,6mmの大きさ)の時に決まる。蚕が大きくなって繭を作る時になって、いくら葉っぱをやってももう遅い」と教えられました。人間で言うと1、2、3歳の乳幼児期に一生にわたる個体が決まってしまうので、その時期に最適の温度と湿度、それに最高の飼料(桑の葉)を与えると、後は放っておいても立派な繭を作るというのです 

我が国のことわざにある「三つ子の魂百まで」とあるように、これはまことに真実です。乳幼児期の今こそ、手を抜いてはいけない一生を決める重要なポイントなのです。

従って園は、子どもたちが目当てを持って、楽しく、生き生きと、全身全霊を込めて生活することができるように最善の配慮をしています。そういう響き合いの中で試行錯誤や葛藤体験を繰り返しながら、人間はどう生きるべきかを体ごとで学んでいます。けじめやしつけや「生きる力」は、そういうさりげない日々のふれあいの中で確実に人生に必要な知恵として育っています。

ひかり幼稚園では、「自主的精神に満ちた、賢く、たくましい野性人」を育てるべく、ひかりは「幼な子に開かれた花園」を目指しています。
魂と魂がぶつかり響き合う場。
いきいきとした感動のあふれる場。
しかし、優しく、共感のあふれる場。
……そんな時空を想像しようと 私たちは必死で取り組んでいます。

理事長 東 喜代雄

教育方針

園でのひとコマ

教育目標

心身ともに健康で
生き生きとした豊かなこころと
自主的精神にみちたたくましい野性人
そして共に(幼児、保育者、父母、地域)
育ちあう教育

教育の基盤

(聖書のことば)
心を尽くし、精神を尽くし、
思いを尽くし、力を尽くして、
あなたの神である主を愛しなさい。
隣人を自分のように愛しなさい。

マルコによる福音書12章30,31節

1.「小さな幼稚園」です

小さな幼稚園です

 当園は「小さい」といっても、園地は3,175平方メートルあります。「小さい」とは少人数ということで将来とも大規模にしたいとは思いません。それは幼児を中心にすえて、家庭的な温かいふれあいの中で、一人一人に配慮の行き届いた保育を展開したいと思うからです。

この小さな幼稚園は、クラスの人数が少ないことはいうまでもありませんが、何より大きい自由のあふれた運動場、ゆとりに満ちた木造平屋の園舎、ダイナミックな手作りの遊具のほかに、手押し井戸ポンプ、クジャク舎、大勢の動物たち、畑、竹林、木立ちなどがあり、豊かな陽の光と水と土があります。近くに鵜ノ木グラウンド、入間川、稲荷山公園など自然環境にも恵まれており、子どもたちの活動の場になっています。

2.聖書に基づく「キリスト教教育」をします

聖書に基づくキリスト教教育

 当園は教育の基盤を聖書においています。それは「一人一人が神に愛されたかけがえのないいのちである」という認識にたって、神の前に真実に歩むこと、真理を追求し、愛と奉仕の精神を持ち、すべての人と社会に対して進んで責任を果たす人格を育てることを目的とします。

さらに子どもは自然の不思議な仕組みや変化に気づき、その恵みに感謝し、人との関わりの中で神に喜ばれる生活は何であるかを感じとり、それらを表現する喜びや祈りを体験します。

当園の正職員は創立時から全員クリスチャンで、愛と恵みの教えに基づき、生活に即したキリスト教教育を進めます。

3.「手作り」の教育を目指します

 人はモノではありませんから、周りの人々に優しくされ、認められ、信頼されて育ちます。一人一人の個性や善さややり方が受容され、その人なりの思いが汲み上げられて行かなければなりません。それはマスプロ的でなく、一人一人の幼児の感情や要求に豊かに寄り添っていくことを意味します。つまり周到な計画と綿密な配慮によって進められなければなりません。文字通り「手作り」の教育なのです。

そのため園は日常の保育、行事、印刷物、子どもたちの用品などなるベく手作りをこころがけています。園はまた可能な限り「インクルーシブ」(いろいろな人がいて当たり前の社会)を進めています。人それぞれのかけがえのない善さや個性を認め、それぞれのリズムやぺースを大事にしながら、その人なりの美しい花を精一杯咲かせるよう援助しています。

4.家庭・地域との密接な連携を求めて

家庭・地域と連携した幼稚園

 昨今の新生児の研究を待つまでもなく、幼児は、生まれながらにして数多くの優れた能力を持っています。しかし未熟で未分化ですから十分な保護と育成が必要です。幼稚園は、我が子をこの世で最もいつくしみ期待しておられるご家庭と緊密な連携をとりつつ、いわば車の車輪のように機能していくことが大切です。

また子どもはいくら親や家庭が立派でもそれだけでは育ちません。園・家庭・地域が知恵や力を出し合い、その相互作用の中でみんなして「育ちあう」ことが大切です。この幼児期という短い時期、「子育て」という最高に幸せなことを最大限にエンジョイしてください。お子様の幸せをご一緒に見つめてまいりましょう。

幼稚園教育の基本とひかりプランズ

幼稚園のカリキュラム(教育課程)は、子どもが望ましい成長・発達を遂げるために、必要な諸経験を子どもに提供しようとする全体計画です。わが国では「幼稚園教育要領」(平成29年3月・文部科学大臣告示)として定められています。
入園から卒園までの園生活のすべては、「人格形成の重要な基礎を築く時期であることから、幼児の特性を踏まえ、環境を通して行うことが基本である。教師は幼児との信頼関係を十分に築き、幼児と共により良い環境を創造するように努めること」とうたっています。
重視する事項として、

  1. 幼児は安定した情緒のもとで自己を十分に発揮することにより、発達に必要な体験を得ていくのであるから、幼児の主体的な活動を促し、幼児期にふさわしい生活を展開するようにすること。
  2. 幼児の自発的な活動としての遊びは、心身の調和のとれた発達の基礎を培う重要な学習であるから、遊びを通しての指導を中心として、活動のねらいが総合的に達成されるようにすること。
  3. 幼児期の発達は心身の諸側面が相互に関連し合い、多様な経過をたどって成し遂げられる。幼児の生活経験はそれぞれ異なるので、幼児一人ひとりの特性を応じ、発達の課題に即した指導をすること。

を「幼稚園教育の基本」としています。

教育課程の編成については、第2章に、「創意工夫を生かし、幼児の心身の発達と地域の実態に即した適切な教育課程を編成するもの」とし、「教育日数は、特別の事情のある場合を除き39週を下回ってはならない。1日の教育時間は4時間を原則とする。ただし幼児の心身の発達の程度や季節に応じて適切に配慮すること」としています。

これを受けて狭山ひかり幼稚園では、園児の実態を検討し、保育の反省と見通しに即した2年間、3年間の保育計画と、そのねらいと活動を「ひかりプランズ」として毎年4月に発行しています。各期のねらいや活動は、期の節目ごとに「学年だより」で保護者の皆さんにお知らせしています。

なおこの「プランズ」には、園児の実態の諸側面、年度を通して重視する事項、クラスの構成、家庭の人数やお住まい、飼育栽培、安全教育、毎月の行事計画、係活動の紹介などがあります。その他にすべての行事の内容を案内する『こんなこと、あんなこと』は入園時にお渡しいたします。。